【弁護士解説】フィリピンの内部通報者保護制度

執筆:弁護士 水谷 守国際チーム

(1) 内部通報者保護に関する法律

 フィリピンの法律において、内部通報者に関する規定は、会社法(Revised Corporation Code)とマハルリカ投資ファンド法(Maharlika Investment Fund Act)に定められています。

 これらの法律では、内部通報者とは、その法律違反に関する情報を提供する者と定義されています。そして、これらの法律は、内部通報者に対する解雇などの報復行為を故意に行った者に対し、以下の罰則を定めています。

  • 会社法:罰金10万ペソ~100万ペソ
  • マハルリカ投資ファンド法:罰金100万ペソ~200万ペソ、最長6年の禁錮刑

(2) 内部通報者保護ポリシー

 フィリピンの会社法は、上記の罰則を除き、企業に対して内部通報者保護に関する義務を課していません。他方で、企業は裁量の範囲内で、独自の内部通報者保護ポリシーを策定することが可能です。

 以下の企業は、内部通報者保護に関する独自のポリシーを策定・公開しています。

・San Miguel Corporation
https://sanmiguel.com.ph/storage/page-assets/30/2/gFjGxIj1o3ruIv2riiZkw09gdj61Q9IfHijAbOM5mkNsGLgxj5jWJckeZQ2Z/orig/SMC_Amended_Whistleblowing_Policy_Final.pdf

・Del Monte Philippines
https://www.delmontephil.com/hubfs/corporate-governance/Whistle_blower.pdf

・Metro Pacific Investments
https://www.mpic.com.ph/wp-content/uploads/2023/07/MPIC-Revised-Whistleblowing-Policy-approved-04-Aug-2021.pdf

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