【弁護士解説】フィリピンにおけるオフショアローン規制の概要

執筆:弁護士 水谷 守国際チーム

 フィリピンにおける外国ローンや外国通貨建てローンに関する規制の概要を紹介します。外国ローンや外国通貨建てローンは、主にフィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas)によって規制されています。この規制の詳細は、フィリピン中央銀行が発行している「外国為替取引規制マニュアル」(Manual of Regulations for Foreign Exchange Transactions)で確認することができます。

 「外国ローン」とは、フィリピン居住者がフィリピン非居住者に対して負うローンを指します。国内ローンか外国ローンかを判断する基準は、債権者がフィリピンに居住しているかによって決まります。そのため、フィリピン通貨でのローンであっても、債権者がフィリピン国外に居住している場合は「外国ローン」に該当します。

 他方で、「外国通貨建てローン」とは、たとえば、フィリピン居住者またはフィリピン非居住者の民間セクターが、フィリピン国内で営業する銀行に対して負うローンを指します。

 そして、企業などが借入れを受ける際に、政府機関などの公的セクターから保証を受ける場合には、ローン契約を締結する前にフィリピン中央銀行から事前の承認を受ける必要があります。また、ローンを外貨で返済する場合は、別途フィリピン中央銀行への登録が求められます。

 公的セクターの保証がない場合でも、ローンや利息などを外貨で返済するためにフィリピン国内の銀行から外貨を購入する際には、原則としてフィリピン中央銀行への登録が必要となります。

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