
執筆:宇宙・航空チーム
1.はじめに
JAXAが13年ぶりに実施した宇宙飛行士選考試験の結果が発表され、日本人初の民間宇宙旅行者も登場した昨今、私たち人類にとっても宇宙はより身近な存在になっています。
今後、民間事業者による宇宙旅行サービスがますます盛んになり、人々がより気軽に宇宙にいけるようになった場合、私たちは宇宙にただ行くだけではなく、行ってからのことつまり、「宇宙での生活」というものを考える必要があります。
そこで、今回は、「宇宙×生活」についてご紹介させていただきます。
2.宇宙での生活とは
これまでにも宇宙飛行士による宇宙での長期滞在をふまえ、宇宙での生活環境の改善が議論されてきました。
実際に、JAXAは、宇宙飛行士がISSでの生活を通して感じている不便、困りごと、工夫などをインタビューしたうえで、宇宙での生活をより良くするための「Space Life Story Book」を作成、公開しています。
「Space Life Story Book」では、以下の10カテゴリーに分けたうえで、それぞれの場面で宇宙飛行士からのヒアリングを元にQOLの向上を図っています。

(JAXA「Space Life Story Book」
https://iss.jaxa.jp/med/images/71532_story.pdf )
宇宙空間は、当然ですが様々な制約があることから、地上と同様の生活を送ることはできません。もっとも、宇宙空間での長期滞在をより快適なものにするため、様々な生活用品が開発されています。例えば、洗濯の回数が限られる状況にあわせ、洋服を拭くだけで洗浄できる洗濯シート、水を十分に使用できない状況にあわせ、洗髪用の洗浄液をあらかじめ浸透させた凸凹型の不織布のシャンプーシート、泡立ちや味を工夫することによりすすぎを簡単にする泡タイプの歯磨きなど、宇宙での生活を向上させる様々な製品が登場しています。
実際に、JAXAは宇宙での生活のQOLを向上させるアイデアを広く募集し、ISS搭載候補アイデアとして選定し、日本人宇宙飛行士がISSに長期滞在する場合には、搭載品として選定することができるようにされています。

(JAXA「宇宙での生活用品」
https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/med-in-space/healthcare/cpi/ )
3.一般社団法人宇宙美容機構
このように、今後盛んになっていくことが予想される、「宇宙×生活」の分野について、GVA法律事務所では、一般社団法人宇宙美容機構に参画し、宇宙での生活のQOL向上について議論を重ねています。
一般社団法人宇宙美容機構では、美容の視点から宇宙での生活課題の解決を行うことを目的に活動しています。
今後、民間人の宇宙旅行が盛んになるにつれ、民間人が宇宙旅行へもっていける生活用品の基準などの整備が進められることが予想されますが、GVA法律事務所でも宇宙での生活環境をより向上させるよう、法的な側面から取り組んでいく所存です。
4.おわりに
宇宙での生活は、将来的に人類が宇宙に移住するようなことになった場合、切り離せない事項であり、考えるべき課題です。
本稿がみなさまの宇宙×生活に対する興味・関心の一助となりましたら幸いです。
GVA法律事務所では、契約関連法務、レギュレーションのリサーチやアドバイス、その他宇宙・航空分野に関する幅広いサポートをさせていただいております。
宇宙ビジネスの法律に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。