税制適格ストックオプション
ベンチャー企業や上場企業において、従業員へのインセンティブ付与として最も一般的に利用されるインセンティブプランが税制適格ストックオプションです。
GVA法律事務所では、過去200件を超える案件をサポートさせていただいた実績に基づき、税制適格ストックオプションの設計、スケジュールの作成・管理、各種議事録作成、登記必要書類の作成、登記申請等、税制適格ストックオプションを発行する上で必要な手続を法的にサポートさせていただきます。
税制適格ストックオプションとは?
税制適格ストックオプションとは、「法律で定められた一定の要件をクリアすることで、税制上の優遇措置を受けられる無償のストックオプション」のことです。資金に余裕がないスタートアップ企業などが、優秀な人材を採用・引き留めるためのインセンティブ(報酬)として付与する際によく利用されます。
| 要件 | |
|---|---|
| 付与対象者 | 会社及びその子会社の取締役・執行役・使用人、一定の要件を満たす外部協力者(大口株主及びその特別関係者を除く) (社外高度人材活用新事業分野開拓計画の認定に従って 事業に従事する外部協力者※) |
| 発行価格 | 無償 |
| 権利行使期間 | 付与決議日後2年を経過した日から付与決議日後10年を経過する日まで(設立5年未満の非上場会社は付与決議日後15年を経過する日まで) |
| 権利行使限度額 | 権利行使価額の年間の合計額が1200万円を超えない ※設立5年未満の株式会社:年間の合計額が2400万円を 超えないこと 設立後5年以上20年未満で、非上場会社又は上場の日以後 の期間が5年未満の上場会社:年間の合計額が3600万円を 超えないこと |
| 権利行使価額 | ストックオプションに係る契約締結時の株式の時価以上の金額 |
| 譲渡制限 | 譲渡禁止 |
| 株式の交付 | 会社法第238条第1項に定める事項に反しないこと |
| 保管委託 | 行使後の金融商品取引業者等への保管・管理信託に代えて、発行会社による株式の管理も可能 |
税制適格ストックオプションと有償ストックオプションの違いとは?
費用の負担:
税制適格SOは「無償」で付与され従業員の負担がありませんが、有償SOは付与される側が「自腹」でオプション料を支払う必要があります。
付与対象者:
税制適格SOは原則として社内の役職員に限定されますが、有償SOの場合は制限がなく社外の協力者等にも付与可能です。
設計の自由度:
税制適格SOは税制優遇を受けるため法律上のルール(行使期間や限度額など)を守る必要がありますが、有償SOはこのような制限は特段ありません。
GVA法律事務所では、どちらを選ぶ方が貴社にとってのメリットになるか、会社の現状や展望に合わせて提案しています。
| 項目 | 税制適格SO | 有償SO |
| 付与時の払込 | 不要(無償) | 必要(オプション料の自己負担) |
| 付与対象者 | 社内取締役・従業員等及び一定の要件を満たす外部協力者等 | 制限なし |
| 権利行使期間 | 付与決議日後2年〜10年(特例15年)等 | 制限なし(即時行使や10年超も可能) |
| 譲渡の可否 | 譲渡禁止 | 制限なし |
| 設計の自由度 | 低い(税制適格要件を満たす必要あり) | 高い |
税制適格ストックオプションのメリット
税制適格ストックオプションは、スタートアップ企業にとって強力な採用・引き留めツールとなります。付与される側(従業員・役員)と付与する側(企業)のそれぞれの主なメリットは以下の通りです。
付与される側(従業員・役員)のメリット
- 権利行使時の税金がゼロ(課税の繰り延べ)
税制非適格の場合、株式を取得(権利行使)した時点で、まだ現金を手にしていないにもかかわらず「含み益」に対して税金がかかります。税制適格であればこの時点での課税が繰り延べとなり、後日株式を売却して現金を手にした時に初めて課税されます。 - 税率が大幅に安くなる
税制非適格の場合、ストックオプションにより得た利益は「給与所得」などとして扱われ、所得に応じて最大約55%の税金(累進課税)がかかります。一方、税制適格の要件を満たすと「譲渡所得」として扱われるため、どれだけ利益が出ても税率は一律約20%(分離課税)に抑えられます。 - 初期費用が不要(ノーリスク)
新株予約権を取得する者に無償で付与されるため、権利を受け取るためのお金を自腹で用意する必要がありません。
付与する側(企業)のメリット
- 資金がなくても優秀な人材を獲得・維持できる
創業期のスタートアップなど、高い給与を支払う余裕がない企業でも、将来のキャピタルゲインを魅力的な報酬として提示し、優秀な人材を採用・引き留める(リテンション)ことができます。 - 従業員のモチベーション向上に直結する
「会社の業績が上がり株価が上がれば、自分の利益も増える」という仕組みにより、従業員が経営者と同じ目線を持って業務に取り組むようになります。
GVA法律事務所では貴社の社内事情なども汲んだ上で税制適格ストックオプションの設計から発行まで必要な手続きをサポートしています。
税制適格ストックオプションの法務情報
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