薬機法改正の概要

薬機法改正の概要

 本日、令和元年11月27日の国会において、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「薬機法」といいます。)が改正されました。これは、2013年に、法の題名が薬事法から薬機法へと改称されるなどの改正以来7年ぶりの改正となります。

 

 この2013年改正の附則には、施行後5年を目途に、検討する事項が定められていました。これを受け、2018年4月から、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会並びに薬事・食品衛生審議会血液事業部会及び同部会運営委員会において議論がなされ、これを踏まえたのが今回の改正となります。

 

 そこで、以下では、今回(2019年)の重要な改正点について、ご説明いたします。

 

 

 第1 医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するための開発から市販後までの制度改善

1 「先駆け審査指定制度」の法制化

(1)先駆け審査指定制度とは

これは、2015年に厚生労働省の通知に基づき導入された制度です。この「先駆け」というのは世界に先駆けてという意味です。つまり、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる医薬品、医療機器等を指定し、優先的な取り扱いを行うことにより、承認取得までの期間を短縮し、世界で最先端の治療薬を最も早く患者に提供することを目的にしています。

 

(2)制度導入の背景

日本は、大学等の基礎研究能力が高く、実用化できれば、世界で最先端の治療薬を生み出すことができると考えられています。ところが、諸外国と比較し、これを実用化する能力が低いとも指摘されているところです。また、これらの研究成果は、世界に先駆けて実用化しないと、特許等の知的財産権を取得できません。一方、研究の実用化は世界レベルで競争が行われており、審査による遅れが、諸外国との競争に敗れる事態も招くこともあります。しかし、これまでは、このような先駆けになるような物について、優先的に審査をするような優遇制度はありませんでした。今回の改正は、この制度を法制化するものです。

 

(3)法制化の内容

ア 厚生労働大臣による指定

厚生労働大臣は、

    日本・外国で承認を与えられている製品と作用機序等が明らかに異なる

    その用途に関し、特に優れた使用価値を有する

という2つを満たす物について、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、

先駆的医薬品、先駆的医療機器又は先駆的再生医療等製品に指定します。

また、厚生労働大臣は、

    その用途が特定の区分に属する疾病の治療等であること

    当該用途に係る医薬品等に対するニーズが著しく充足されていないこと

    その用途に関し特に優れた使用価値を有すること

という3つを満たす物について、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、

特定用途医薬品、特定用途医療機器又は特定用途再生医療等製品に指定します。

  

イ 優先審査の対象

 上記の指定がなされると、製薬企業等は、優先相談、事前評価の充実のほか、総審査期間の目標を6か月とする優先審査等を内容とする優遇措置を受けることができます。

 また、用途に係る対象者数が少ない特定用途医薬品等(子供の用法用量設定など)については、1993年の薬事法改正で導入された希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器等の指定に関する制度と同様に、国は試験研究を促進するために必要な資金の確保に努めるとともに、税制上の措置を講ずるものとされています。

  

ウ 付帯決議

 この制度には、衆議院により以下の付帯決議が付けられています。この「付帯決議」というものは、国会における決議において付帯されるものであり、法律の内容になるものではありませんが、政府は、この内容を尊重するものとされておりますので、制度を利用するにあたっては、留意すべき点となります。

・先駆け審査制度において、指定を受けた後に要件を満たさないことが明らかになった場合には、速やかに指定を取り消すこと。

・先駆け審査制度により製造販売承認を受けた抗インフルエンザ薬について、耐性ウイルスを発生しやすいことが指摘されていることから、その有効性、安全性等の状況を監視すること。

 

 

2 「条件付き早期承認制度」の法制化

(1)条件付き早期承認制度とは

これは、2017年に厚生労働省の通知に基づき導入された制度です。この「条件付き」というのは、承認に条件を付けるという意味です。つまり、検証的臨床試験の実施が困難であったり、その実施に長期間がかかる医薬品、医療機器等について、早期の実用化を目指すものであり、製造販売後の、検証的臨床試験等以外の臨床研究による有効性・安全性の再確認等を承認の条件とするものです。

 

(2)制度導入の背景

通常、医薬品の用法・用量等の設定のためには、検証的臨床試験、つまり多数の患者に対象となる医薬品を投与・使用し、有効性・安全性を検討することが必要になります。しかし、患者数が少ない疾患に対する医薬品については、多数の患者に投与・使用することが困難であり、少なくとも長時間を要するものでした。

この点、再生医療等製品について、ヒトの細胞の個人差が反映されて品質が不均一となり、有効性確認のためのデータ収集・評価に時間を要することが問題視され、2013年の薬事法改正において「条件及び期限付き承認制度」が導入されていました。2017年の通知による制度導入は、実質的には、この再生医療等製品に導入されている制度の対象を拡げたものであり、今回はこれを法制化したものになります。

 

(3)法制化の内容

ア 製造販売の承認審査過程における特例

厚生労働大臣は、

    医療上特にその必要性が高いと認められる場合

    検証的臨床試験の実施が困難である等の場合

という2つを満たす場合は、臨床試験の試験成績に関する資料の一部の提出を要しないとすることができます(ただし、検証的臨床試験以外の臨床試験等で一定程度の有効性・安全性を確認することが想定されています)。

  

イ 製造販売承認への条件付与

 また、厚生労働大臣は、使用の成績に関する調査の実施、適正な使用の確保のために必要な措置の実施等の条件を付して、製造販売の承認をすることができるものとされます。

 そのため、この条件付きの承認を受けた製造販売業者等は、その使用の成績に関する資料等を厚生労働大臣に提出するものとされ、提出を受けた厚生労働大臣は、品質、有効性、安全性等の使用の成績に関する調査を行います。また、この調査結果を踏まえて、条件の変更や安全対策の実施等の適切な使用の確保のために必要な措置をとることができます。

 

ウ 付帯決議

 この制度にも、以下の付帯決議が付されています。問題が生じないように、制度の運用面における事項などに触れられており、この制度を利用する場合には、予め留意すべき点かと思われます。

・条件付き早期承認制度の対象となる医薬品等の適応疾患について、生命に重大な影響がある疾患(致死的疾患)、病気の進行が不可逆的で日常生活に著しい影響を及ぼす疾患、希少疾病といった重篤なものや、申請時に有効な治療法が確立していないものを中心とすること。また、ワクチンを含む予防薬について、条件付き早期承認制度の対象としようとするときは、特に慎重に検討すること。

・条件付き早期承認制度により製造販売の承認をした場合は、速やかに有効性・安全性を再確認するために厳格な製造販売後調査等を実施すること。また、承認を受けや医薬品・医療機器の使用に際しては、通常の医薬品・医療機器と異なり、一定程度の有効性及び安全性が確認されたものにとどまることから、製造販売後に再確認を必要とするものであることについて、患者に対して適切な情報提供がなされるよう努めること。さらに、承認を受けた医薬品等の評価に係る調査等結果の提出期限については、実施に必要な最低限の期間を品目ごとに定めること。

・条件付き早期承認制度によって承認の際に付された条件を満たさなくなった場合には、速やかに承認の取消し又は承認事項について変更を命ずること。

 

 

3 医療機器の特性に応じた承認制度の導入

(1)制度導入の背景

医療機器は、メスからペースメーカー、MRIまで多種多様であること、絶え間ない継続的な改善・改良が行われること、市販後に変更を繰り返すことや、実際の手技者の影響によって効果が左右されるといった特性を有しています。

現在は、医療機器の継続的な改良・改善がなされた場合には、その変更による製品への影響の度合いに応じて、臨床試験が必要な一部変更承認、非臨床試験で評価可能な一部変更承認及び軽微変更届で対応しています。

しかし、デジタルヘルスの領域の広がりなどから、初回承認から性能等が恒常的に変化し続けるプログラムが開発されているAIなどの医療機器も承認がなされる実例が発生しており、このような技術革新への対応が求められてきました。

 

(2)法制化の内容

あらかじめ改良が見込まれている医療機器について、継続した改良を可能とする事前届出制が新たに導入されます。

具体的には、医療機器等の承認を受けた者は、承認事項のうち性能、製造方法等の変更に関する計画について厚生労働大臣の確認を受けることができるものとし、当該確認を受けた者は、当該計画に従った変更(製造方法等の変更に限る。)を行う日の厚生労働大臣が定める日数前までに変更を行う旨を届け出たときは、変更に係る承認を受けることを要しないものとしています。

厚生労働大臣は、当該確認を受けた計画に従った変更に係る承認の申請の場合には、その審査において、品質、有効性又は安全性に関する調査に代えて、計画に従った変更であるかどうかについての調査を行うことができるものとしています。

 

 

4 医薬品等の製造方法等の変更についての届出制への見直し

医薬品、再生医療等製品等については、最終的な製品の有効性、安全性に影響を及ぼさない医薬品等の製造方法等の変更について、事前に厚生労働大臣に計画を提出して確認を受けることができるものとし、当該確認に沿って変更する場合には、届出制で足りるものとしています。

 

 

5 添付文書の電子的方法による提供の原則化

(1)改正の背景事情

添付文書は頻繁に改定されますが、在庫品に納入された添付文書は従前のままであり、迅速な最新情報の提供に資する状態ではなかったこと、一つの医療機関で多くの医薬品等が納入される場合、添付文書がすべての製品に同梱される状況は紙資源の浪費であるという指摘がなされていました。

 

(2)改正の具体的な内容

そこで、医薬品(要指導医薬品、一般用医薬品等を除く)及び、医療機器(一般消費者の生活のように供することが目的とされている医療機器を除く)等の添付文書については、電子的な方法による提供を基本とし、添付文書をウェブサイト等で公表しなければならないこと、及び、当該最新の添付文書情報へのアクセスを可能にする番号、記号、その他の符号等(QRコードが想定されています。)を、容器等に記載しなければならないものとされました。それに伴い、当該医薬品、医療機器等の製造販売業者は、購入者等に対し、添付文書の提供を行うために必要な体制の整備が求められています。

 

 

 

第2 薬剤師・薬局の在り方の見直し

1 薬剤師による継続的な服薬状況の把握及び服薬指導の義務の法制化

(1)制度導入の背景

医薬分業が進む中で、本来期待された患者の服薬情報の一元的把握といった機能が十分に発揮されていないという課題が従来から指摘されていました。特に、高齢化に伴う在宅医療の増加から、地域医療の担い手としての薬剤師・薬局の積極的な関与が求められてきました。そこで、厚労省は、患者本位の医薬分業の実現に向けて、いわゆる「かかりつけ薬局」を実現するための道筋を提示するため、2015年10月、「患者のための薬局ビジョン」を策定しました。

これを受けて、今回の薬機法改正において、薬剤師・薬局の役割、義務が以下のように見直されます。

 

(2)改正法の内容

改正後の薬機法の下では、薬局の業務として、従来の調剤のみならず、「薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務」も含むことが明記されます。

そして、薬剤師には以下の義務が課されます。

・薬剤師が、調剤時に限らず、必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行う義務

・薬局薬剤師が、患者の薬剤の使用に関する情報を他医療提供施設の医師等に提供する努力義務

 

 

2 地域連携薬局と専門医療機関連携薬局

(1)制度導入の背景

上記のように、医薬分業の推進、高齢化、在宅医療の増加に伴い、地域医療の担い手として、薬剤師・薬局も他職種と連携して地域の特性に応じた適切な役割を果たすことが求められています。また、がん等の専門性の高い薬学的管理が求められる傷病に対して、特殊な調剤への対応、退院時の支援などの、より丁寧な薬学的管理が求められており、このような状況に適切に対応するためには、専門性が高く実践的な経験を有する医療機関の薬剤師と、地域の実情に応じて一定の資質を有する薬局薬剤師が医療機関の薬剤師等と連携しながら対応できる体制が求められています。

これらのニーズに応えられる薬局を患者が自ら選択できるように、「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の認定制度が設けられます。

 

(2)改正法の内容

地域連携薬局とは、「他の医療提供施設と連携し、地域における薬剤等の適正な使用の推進及び効率的な提供に必要な機能を有する薬局」とされ、厚生労働省令で定められる以下の事項に関する基準をクリアした上で都道府県知事の認定を受ける必要があります。

・構造設備

・他の医療提供施設との情報共有体制

・地域の患者に対し安定的に薬剤を供給するための販売体制

・居宅等における調剤・情報提供・薬学指導等のための体制

専門医療機関連携薬局とは、がんなどの特定の傷病について、「他の医療提供施設と連携し、専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局」とされ、厚生労働省令で定められる以下の事項に関する基準をクリアした上で都道府県知事の認定を受ける必要があります。

・構造設備

・他の医療提供施設との情報共有体制

・専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行う体制

地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局は、名称独占であり、認定を受けていない薬局は紛らわしい名称を付してはなりません。

  

 

 

3 オンライン服薬指導

(1)制度導入の背景

高齢化や医師の偏在といった課題に対し、近年、IT技術の発展によるオンライン診療・遠隔診療による解決が図られようとしてきています。医師による診療行為については、一定の条件の下で遠隔でも認められてきていましたが、薬の処方時に行われる薬剤師による服薬指導は、対面により行うことが法律上明記されていました。

今回の改正により、薬剤師の服薬指導もオンラインで行う道が開かれ、遠隔診療から遠隔服薬指導、ひいては薬の遠隔処方まで、ITを利用した遠隔診療サービス全体の発展が期待されます。

 

(2)改正法の内容

従来「対面」のみとされてきた服薬指導の方法に、映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法等が加わります。

具体的な手段は、厚生労働省令において定められることになります。

 

 

 

 

第3 信頼確保のための法令遵守体制の整備

1 許可等業者に対する法令遵守体制の整備(業務監督体制の整備、経営陣と現場責任者の責任の明確化等)の義務付け

(1)改正の背景事情

これまでの多くの改正と同様に、今回の制度導入も、薬機法違反の事例が発生したことに対応するものです。ただし、この改正は、新たな規制を求めるものではなく、これまでの規制が遵守されなかった原因を、業者の業務運営体制や監査体制が構築されていなかったことに起因するとして、業者に対し、いわゆるガバナンス体制の構築を求めるものであり、非常に大きな改正と考えられます。

企業がこのような体制を構築すべきことは、これまでにも、会社法や金融商品取引法において求められてきたものです。そのような意味では、社会的には真新しいものではありません。ただ、それらの法律は、どちらかといえば会社の株主などの投資家を保護するためのものであるのに対し、薬機法が規制して保護しようとするのは、人々の生命や健康であり、業者は、法令違反が人々の生命や健康を害することにつながるという自覚を持ち、そのための責務を果たすことが求められているといえます。今回の改正は、そのような薬機法が規制する内容の遵守を求めるために、定められるものといえます。

そして、これまでも薬機法では、製造販売業者に対して「三役」(総括製造販売責任者、品質保証責任者及び安全管理責任者)の設置を義務付けてきましたが、これらの職務を担う者の組織内での立場や責務、経営陣との関係については、明確に定められていませんでした。そのため、技術責任者による意見申述が適切に行われなかったり、経営陣が責務を技術責任者に任せてしまい、法令遵守のための改善サイクルが機能しないという懸念がありました。また、業者等の業務に関して、法令遵守やそのための社内体制の整備等に責任を有する者が、これらの業者において不明確であることも課題になっていました。

 

(2)改正の内容

上記のとおり、今回の改正の目的は、法令遵守(コンプライアンス)の徹底です。そして、このためのガバナンス体制の構築を、業者に対して求めるものとなります。

ア 内容

 改正により対応が必要な事項の具体的な内容は以下のとおりです。

 ① 薬事に関する業務に責任を有する役員の設置(許可申請書に記載が必要)

 ② 従業員に対してコンプライアンスのための指針を示す

 ③ コンプライアンスのための体制整備

   ※この体制は、

    ⅰ コンプライアンス上の問題点の把握

    ⅱ 問題点を解決するための措置の実施

    を行うものとなります。

 ④ 必要な能力及び経験を有する総括製造販売責任者等の選任

   ※医薬品の製造販売業者の総括製造販売責任者の薬剤師要件も規定

 ⑤ 総括製造販売責任者・製造管理者は品質管理等を公正かつ適正に行うための必要があれば、業者に対して書面で意見を申述する義務

 ⑥ 業者は⑤の意見を尊重し、必要があれば措置を講ずる義務

 ⑦ 厚生労働大臣は、整備が不十分な業者に対して、改善命令を行う

 

イ 薬局についての規制

 上記の体制構築は、製造販売業者だけでなく、薬局についても求められています。この場合、総括製造販売責任者・製造管理者については、「管理者」と置き換えられますが、概要はほぼ同様です。

 

 

2 虚偽・誇大広告による医薬品等の販売に対する課徴金制度の創設

(1)改正の背景事情

医薬品や医療機器等の広告については、薬機法により規制がなされているのは周知のとおりです。ただ、それにもかかわらず、虚偽・誇大広告や未承認医薬品等の広告などの薬機法違反の事例は発生しております。そして、この原因として、違反の場合の罰金が200万円以下になっていることが指摘されています。また、そもそも薬機法による許可を得ていないような業者にとっては、許可の取り消しや業務停止命令はなんの抑止効果もないことも指摘されていました。

今回の改正は、上記の問題点に対応するためのものになります。

 

(2)改正の具体的な内容

ア 改正内容

 今回の改正は、薬機法の広告規制で初めて課徴金制度を導入するものです。罰金と大きく違うのは、刑事罰ではなく、行政上の罰というところにあります。制裁を受ける業者からすれば同様に思われますが、罰金が行為に対する制裁を科し、不当な利益を剥奪することを目的とするのに対し、課徴金は、摘発された場合の不利益を増大させることにより、抑止効果を強化することを目的とします。そのため、これまでは、独占禁止法、金融商品取引法、公認会計士法、不当景品類及び不当表示防止法(景表法)の4法だけで定められており、これらがいわゆる経済法に属することからすると、薬機法に規定されるのは画期的なものと言えるかと思います。

 そして、課徴金であることから、罰金のような上限額の規制はなく、違反行為を行っていた期間中における対象商品の売上額の4.5%という高額の課徴金が課せられます(ただし、保健衛生上の危害の発生・拡大への影響が軽微である場合等には課徴金納付命令を行わないことができるほか、課徴金が225万円未満の場合には課徴金納付命令を行うことができないとされています。また、同時に景表法違反に伴う課徴金納付命令がある場合の調整規定や、事前に該当事実を報告した場合の減額規定もあります。)。

 

イ 付帯決議

 この内容についても、以下の付帯決議があります。この評価に基づき、次回の改正に反映されたり、運用がなされるものと思われます。

 ・新たな虚偽・誇大広告に対する課徴金制度についてその抑止効果の評価を行うこと。

 

 

3 薬監証明制度の法制化、麻薬取締官等による捜査対象化

個人が自分で使用するために輸入する場合など、製造販売業者等が行う輸入以外については、厚生労働省通知により運用している薬監証明制度によって対応していましたが、輸入・販売目的の秘匿もしくは虚偽申請について薬機法上の取締が困難となっていました。これについて対応するために、薬監証明制度を法制化し、手続違反に関する罰則を設け、輸入手続きの違反や偽造医薬品に関する事案を麻薬取締官・麻薬取締員の捜査対象に追加しました。

 

 

4 医薬品として用いる覚せい剤原料についての携行輸出入許可制度

麻薬については事故の疾病治療目的での携行出入国が認められていながら、パーキンソン病治療に資する覚せい剤については携行出入国が認められていませんでした。今回の改正では、パーキンソン病患者団体からの要望とを踏まえ、覚せい剤原料についての携行輸出入許可制度が定められました。

 

 

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