健康管理アプリの『プログラム医療機器』該当性判断 ~ヘルステックお悩み相談室(4)~

健康管理アプリの『プログラム医療機器』該当性判断 ~ヘルステックお悩み相談室(4)~

執筆(担当弁護士):弁護士 五反田美彩弁護士 宮田智昭

 

ユーザーが自身の身長・体重や日々の食事内容を登録すると、ダイエットや筋肉増強のための食事に関するアドバイスが表示される、といったアプリサービスを展開予定です。
この場合、法務の観点ではどのような点に気を付けた方がいいでしょうか?

 

<回答>

疾患の治療や予防を目的としたアプリと誤解されないよう、サービス上の表示内容を工夫する必要があります。

 

 

<解説>

1.医療機器とは

前記サービスにおいては、ユーザーの食事に関するアドバイスが表示されるところ、このアドバイスが、疾病の治療や予防を目的としていると評価される場合、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」といいます)における「医療機器」に該当する可能性があります。
医療機器とは、「若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるもの」をいい、これを取り扱うには、事業者は製造販売業等の業許可を取得する必要があるほか、当該アプリ自体についても「医療機器」としての承認又は認証を得る必要があります。
ただし、プログラム医療機器の場合においては、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの(一般医療機器に相当するもの)を除くことが示されており、クラス1相当である場合、医療機器には該当しないとされています。

 

2.健康管理アプリは医療機器に該当するかー基本的には該当しないと考えられるー

医療機器に該当するかを判断する上でのポイントは、上記下線部の目的に関する要件で、その判断は「通常人の理解」をベースにすると解されています。
この点、前記サービスは、主に食生活に関わる健康管理を目的とするものであって、基本的には「人・・・の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること」を目的とするものではないと評価できると考えられます(医療機器該当性に関する厚生労働省のガイドラインにおいても、医療機器に該当しない例として、「個人の一般的な健康の維持又は増進のため、健康的な食事、運動、体重管理などのアドバイスを行うことを目的とするプログラム」が挙げられています。)

 

3.もっとも表現上の工夫が必要

しかし、仮にサービス内の表示において、「ユーザーの生活習慣病を改善する」といった表現のように、具体的な病名を挙げて予防になる旨の表現等がなされた場合には、「通常人の理解」として、ユーザー個人の疾患の治療や予防等に関わる目的を有すると評価されるおそれが生じます。
上記厚生労働省のガイドラインにおいても、このことを考慮して、「利用者による誤解を防ぐために、『当該プログラムは、疾病の診断、治療、予防を目的としていない』旨の記載、表示を行うことが望ましい」と記載されています。

 

このように、人の健康に関わるアプリを展開するにあたっては、ユーザーからして疾病の治療や予防等の目的があるとの誤解を生じさせないよう、表現を工夫することが重要になります。

 

 

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